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2023.06.06

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部下に『なぜ』と問うのは危険

株式会社ブレインマークス

今回のテーマは「部下に『なぜ』と問うのは危険」です。

クライアントの方より「部下が失敗した時に“なぜ失敗したのか”を考えてもらうようにしています。しかしどんどん自信を失って、混乱しているようです」というご相談をいただきました。部下に問題解決能力を持ってもらいたいという思いから「なぜ?」と問いかけているようですが、本質的な答えが返ってこないそうです。

失敗の原因を追究して再発を防止することは大切ですから、その問いかけ自体は間違いではありません。それなのに上手くいかないのはどうしてなのか、原因と対処方法についてお伝えしていきます。

■「なぜ?」と問われると萎縮してしまう

「なぜ失敗したのか」を問われた部下が、自信を失ってしまう。これは上司から「なぜ?」と問われることで萎縮してしまうためです。

どれだけ優しく穏やかに問いかけたとしても、「なぜ失敗したのか」という問いかけには相手の責任を追及する雰囲気が含まれます。そのため部下はそれを察知して、自己防衛や自己否定に意識が向いてしまうのです。

決して相手を責める意図はなく、失敗から学びを得て成長へとつなげてもらうための問いかけであったとしても、これでは本末転倒になってしまいます。

■問いかけに工夫をする

それでは、一体どのようにすればいいのでしょうか。大切なのは、問いかけに工夫をすることです。

「なぜ失敗したのか?」ではなく「失敗をしたとき、何があったのか?」と問いかけてみましょう。こうすることで、自己防衛や自己否定ではなく、事実を整理する方向へ意識が向くはずです。そして事実を確認したあとは「どうしたら失敗が防げるのか」を尋ねて、解決方法を考えてもらいます。

「なぜ?」の問いかけは思考が過去にいってしまいますが、「何があったのか?次からはどうすればいいのか?」を問うことで思考は未来に向きます。未来に思考が向けば、失敗を前向きな糧として、問題解決能力を養うことができるのではないでしょうか。

■本日の結論

問題が起こった際、その原因を突き止めて再発防止をすること自体は間違いではありません。トヨタの「なぜなぜ分析」のように、会社やチームといった組織全体の課題解決のために「なぜ?」と問うのは重要なことです。

しかしその問いを個人に向けると責任追及の色を孕んでしまうため、使い分けが大切になります。前向きな反省を相手に促すためにも、思考を未来へと導く問いかけをするように心がけましょう。

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