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今回のテーマは「マネジャーの視座を高めるための、はじめの一歩とは?」です。
先日、クライアントから「マネジャーにも経営意識をもちながら働いてほしいが、何から取り組むべきかわからない」というご相談をいただきました。
このように、社員との意識の差に悩んでいる経営者の方は少なくありません。実を言えば弊社もまた、今まさにこの課題にチャレンジしている最中です。
そこで今回は、社員に経営者の視点をもってもらうためにできることについて、私なりのヒントをお伝えしていきます。
経営者と一般社員の、一番の違い。それは、能力や業績の多寡というよりも「どの視点からものごとを見ているか」にあります。つまり、視座の高さが違うということですね。
ここでいう「視座が高い」とは、端的に言えば「自分のためではなく、会社のため・お客様のために物事を考えられること」だと考えてください。
自分の仕事や立場についてだけ考えているのか、会社全体のことを考えているのか。経営者と社員では、その点が大きく異なるのです。
仕事や会社への愛着が一定水準に達している場合、そこから先は個々人の実力というよりも、いかに視座を高くもつかがものを言うと私は確信しています。優秀なマネジャーになるか、そうでないかの分かれ道は、視座を高くもてるか否かにかかっているわけですね。
視座が高い状態とは、「ものごとを俯瞰の視点で見られること」「長期的な目線で捉えられること」を指します。
視座が高まると、会社の成長や顧客へのよりよいサービスのために何が必要で、それを実現するためにはいつまでに何をすればよいのかを客観的に考えられるようになります。目先の出来事や自分の損得に惑わされず、会社の未来を見据えた仕事ができるようになるということです。
一方、視座が低いと、「今、目の前にあるものごと」にばかり目線を向けてしまいがちです。
目の前にある仕事、目の前にいる人しか見えていないと、相手に嫌われるのを恐れて言うべきことを言えなくなったり、サービスの質を上げるための指摘を個人への批判と混同したりして、会社のスムーズな成長を妨げてしまうことも。
社員一人ひとりが高い視座を持てば、こうした事態を防ぎ、顧客に対してより価値あるサービスを提供できるようになるでしょう。
まず大切なのが、社員に会社を好きになってもらうことです。そもそも会社に対する愛着がなければ、会社の未来について積極的に考えることはできませんからね。
会社に対する愛着が高まれば、「会社そのものや会社のメンバー皆にとって、もっと良い未来を実現するためにはどうすればよいか」を自然と考えられるようになります。これはまさに、視座を高めることにほかなりません。
そして、社員の視座を上げるためには、情報格差をなくすことも大切です。
財務情報や顧客情報、競合他社に関する情報を知らなければ、会社の未来について考えることはできません。社員に経営者目線で物事を考えてもらうためには、財務情報を広く社員に開くこと、すなわちオープンブックマネジメントが求められるのです。
もちろん、情報開示には相応の勇気が必要です。
中には、「財務情報を明かすなんてできそうにない」とお考えの方もおられるかも知れません。しかし、会社にとって重要な情報を隠せば、それだけ社員の視座を高めるチャンスも減ってしまいます。
必要な情報を開示して情報格差をなくせば、マネジャーの視座は次第に高まっていきます。また、隠し事をなくして透明性を確保することは、社員の会社に対する信頼を高め、会社をより好きになってもらうことにも繋がりますね。
社員に高い視座をもってもらうための取り組みには、勇気や根気が求められます。しかし、マネジャーや社員一人ひとりの視座を高めることに成功すれば、会社の成長はぐっとスムーズになるでしょう。
ここでご提案したいのが、経営者自らが「チャレンジを楽しむ」姿勢をもつこと。経営者が生き生きと楽しそうに課題に取り組む姿を見せることは、社員の会社経営に対する興味を高め、視座を上げることに繋がっていくはずです。
ブレインマークスでも、現状一部の社員のみに開示している財務情報を、数年以内に全社員に開示することを目指した取り組みを行なっています。あなたも是非ご一緒に、社員の視座を上げるためのチャレンジを楽しんでみませんか。