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今回は、書籍「無印良品は、仕組みが9割」から、経営の仕組み化についてご紹介します。
著者は、無印良品やMUJIブランドを運営する株式会社良品計画の前会長・松井忠三氏です。1992年に良品計画へ入社し、総務人事部長、無印良品事業部長を経て、2001年に社長へ就任しました。当時赤字状態だった組織を「風土」から改革し、業績をV字回復させたことで知られています。
無印良品はなぜ業績を回復できたのか。一体どこが優れているのかを考えていきましょう。
無印良品の業績が回復した理由は、組織の仕組みづくりを徹底したからです。
無印良品には店舗で使う「MUJIGRAM」と本部業務で使う「業務基準書」という2つの分厚いマニュアルがあり、口で言えばわかるレベルのことまで徹底して明文化されています。無印良品のすごさといえば一般的にはこのマニュアルだと思われがちですが、実は凄さの秘訣はそこではありません。
無印良品が優れているのは、「最高水準のレベルで標準化した仕事をマニュアル化し、それを運用しながらPDCAを回していく仕組み」を作り上げたところです。
松井氏は、社員が仕組みに納得してそれを実行していけば自然と意識が変わっていくと言います。つまり「優れた仕組み化は組織を強くする」というわけです。
仕組みを作るために無印良品が実行している具体的なステップは、次の3つです。
最も時間をかけるのは「問題点を特定する」こと。そして、なぜその問題が起こっているのかを構造的に捉えていきます。大切なのは、原因を「人」ではなく「システム」に見るということです。
ミスの原因を「人」に見た瞬間に、問題は解決しなくなります。ミスを起こさないためには、どのようなシステムや教育を導入したらいいのか。このように考えてどんどん仕組みを変えていく企業文化が、無印良品には根づいているのです。
無印良品には、企業文化をつくるための5つの教育基準があります。
個人の経験値を組織に蓄積することができ、成果が出やすい。
マニュアルづくり=仕事の標準化。標準を固めることで、経営が盤石になる。
変化の速い現代で、効率的な指導ができる
業務の「目的」を明記し理念を統一することは、顧客の利益につながる。
マニュアル作りの段階で各作業を見直すことになり、組織体質を根本的に変えるきっかけになる。
マニュアルは手段にすぎず、根本的な目的は社内全員で問題点を見つけて改善していく姿勢をもってもらうことです。このような教育の仕組みが、企業文化の礎になっています。
企業文化は一朝一夕で作り上げることはできません。無印良品は、長い時間をかけて教育を行ないながら「他社に真似されない企業文化」を築いてきました。そしてその企業文化が仕組みを作っていくのです。
徹底した「仕組み化」で企業を根本から強くするためにも、ぜひ参考にしてみてください。