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今回のテーマは「マイクロマネジメントをやめたい社長へ」です。
社員に対して細かく業務管理をする「マイクロマネジメント」をしてしまい、社員から「社長は自分を信用しようとしない」と陰で言われてしまっている……というご相談を受けました。本当は社員を信用して任せたいけれど、お客様のことを考えると細かく管理をしなければならない。難しいジレンマですよね。
そこで今回は、なぜマイクロマネジメントが起きてしまうのか、やめるためにはどのようにすればいいのかについてお伝えしていきます。
マイクロマネジメントには「指示待ち社員を増やす」「社員の挑戦やキャリアアップの機会を奪う」といった弊害があると言われています。その弊害を理解しつつも社員に対してマイクロマネジメントをしてしまうのは、社員の実力に見合っていない仕事を任せていることが原因です。
仕事のレベルと社員の実力とのバランスが取れていないと「この人に任せて大丈夫なのだろうか?」と不安や心配な気持ちが湧いてきます。そして商品の向こう側にいるお客様に迷惑をかけてはいけないとの思いで、マイクロマネジメントをせざるを得ない状況に陥ってしまっているのです。
マイクロマネジメントから抜け出すためには、社員の実力に合った仕事を任せる必要があります。それでは、一体どのように社員の実力を見極めていけばいいのでしょうか。
社員の実力を見極めるためには、少しずつ仕事を任せていくとよいでしょう。ある程度仕事を投げてみないと、その人の実力が図れないからです。
その際に注意したいのは、楽すぎず大変すぎず「適度な負荷がかかっている領域」を見極めることです。この領域を「ストレッチゾーン」と言います。
モチベーション理論において、人は「コンフォートゾーン」「ストレッチゾーン」「パニックゾーン」という3つの領域を持っているとされています。
⇒最も快適に感じる空間で、努力や苦労をせず現状のスキルで十分に活躍できる領域
⇒コンフォートゾーンを飛び出て、努力や試行錯誤が必要な領域
⇒努力や試行錯誤をしても到底歯が立たず、パニック状態に陥ってしまう領域
「コンフォートゾーン」に留まっていたら、成長にはつながりません。逆に「パニックゾーン」に突入してしまうと、マイクロマネジメントをしなければならない状態に陥ってしまいます。マイクロマネジメントすることなく、かつ成長が望める領域が「ストレッチゾーン」というわけです。
中小企業は人手不足なことが多いため「ストレッチゾーン」を飛び越えていきなり「パニックゾーン」に突入してしまうほどの仕事を投げてしまいがちです。そうなると必要な報連相ができなくなったり仕事のクオリティが下がったりしてしまうので、タイミングを見て社員から仕事を引いてあげられる工夫をしましょう。
「人手不足だから」「本人にやる気があるから」など、いきなり大きな仕事を任せてしまう理由はさまざまだと思います。しかし、まずは本人が確実にこなせる仕事のもうひとつ上の仕事を任せることから始めてみてはいかがでしょうか。そうして少しずつ社員の力量を見極めていけば、マイクロマネジメントをすることなく安心して任せられるようになってくるのではないかと思います。