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今回は、書籍「はじめの一歩を踏みだそう」から、事業を拡大するための考え方について紹介します。
スモールビジネス(中小企業)の神様と呼ばれるマイケル E. ガーバー氏が書いたこの本は、数多くの起業家に愛読されている世界的ベストセラー作品です。従業員30人以下の中小企業の経営者は、自分が現場に出ざるを得ないことも多く、未来への展望を描く余裕すらない人も多いのではないでしょうか。
日々の仕事に追われ、忙しさから抜け出せない中小企業の経営者でも、これから事業拡大を実現するにはどうすればよいか、この本を基に解説していきましょう。
私がこの本を知ったのは2011年頃、社員の集団離職が続き、経営を続けられるか不安だった時に先輩の社長からすすめられたのがきっかけです。経営者としてすでに10年近く経っていたので、初心者向けのようなタイトルを見てしばらく読む気になれなかったのですが、ある日何気なくページをめくってみたら居ても立っても居られない気持ちになりました。
なぜなら、その本に書かれていたいわゆる「経営のタブー」は、すべて当時の私がやっていたことだったからです。
私はすぐに著者であるマイケル E. ガーバー氏について調べ、カリフォルニア州のサンディエゴで開催されていた彼の講座に参加しました。その講座から彼の教えを徹底的に学び、負のスパイラルから脱却するきっかけを掴んだのです。
元々教材のセールスマンとしてすばらしい実績を持っていたガーバー氏は、セールスを成功させる鍵がシステム、つまり「仕組み化」にあることを十分に心得ていました。
彼は、著書の中で仕組み化の重要性の裏付けとして、マクドナルドが成功した事例を挙げています。
今や世界的大企業であるマクドナルドの創業者、レイ・クロック氏。彼はなんと、ハンバーガーをつくれなかったそうです。実際、ハンバーガーをつくれたのは、マクドナルド兄弟でした。
創業者であるレイ・クロック氏は、マクドナルド兄弟のすばらしい調理技術に目をつけ、彼らの技を全米展開できるようにシステムを構築した人物なのです。そして、マクドナルドのフランチャイズ化を大成功に導きました。
ガーバー氏は、このレイ・クロック氏の手腕に注目し、事業拡大を成功させるには事業を展開させる技術が必要であることを述べています。
この本に出会うまでの私は、自分がコンサルの技術を磨けば、事業は拡大できるものだと思っていました。しかし、その方法ではいつまでたっても経営者は現場で働き続けることになり、やがて気力と体力が衰え、廃業に繋がってしまいます。
事業拡大を成功させるために必要なのは、フランチャイズビジネスをやるように、自分と同じクオリティでお客様を喜ばせることができる教育やツール、システムをつくることだと、私は気付きました。
ガーバー氏が推奨していたのは、ビジネスをパッケージ化して、フランチャイズのように事業自体を売却できるようなシステム、いわゆる「仕組み」をつくることでした。実際に彼の立ち上げた経営コーチ会社では、コンサルティング事業がパッケージ化されており、100人を越える経営コーチ陣が、ガーバー氏の教えを正しく説くことができています。
事業のパッケージ化については、私も10年近くかけて5~6割できたところでしょうか。セールスや教育、商品開発の流れなどさまざまな業務を仕組み化することで、今や私自身が動かなくても、一定の品質を保った商品をお客様に提供できるようになりました。
「事業をパッケージ化する」と聞いても、具体的にどのような取り組みをすれば良いのか悩んでしまいますよね。ここで、著書で述べられている「事業をパッケージ化するための7つのステップ」を紹介します。
なぜ事業が存在するのか、理念やビジョンを明確にする
経営者の事業と人生を連動させる戦略的な目標をつくる
事業を具体的に進めるにあたって組織の役割と責任を明確にする
どうすれば顧客に最高のサービスができるか考える
事業の中でどのような人を雇い、どのような教育をするか
どのような顧客をターゲットにして呼び込むか考える
上記6つの項目をセットにし、1つのサービスとしてまとめる
この7つのステップを忠実に実行することで、あなたの会社も「事業のパッケージ化」に一歩近づけるはずです。
今回は、ブレインマークスの成り立ちでもある大切な本を紹介しました。この本のノウハウを基に、事業をシステム化するのだ!という強い意思をもてば、今後ビジネスをさらに拡大していく勇気がきっとあなたにもわいてくることでしょう。
是非この本を読んで、仕組み化の重要性を実感していただき、多忙な会社経営から抜け出すヒントを掴んでみてはいかがでしょうか。