「ナンバー2が育たない」 | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2022.02.03

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「ナンバー2が育たない」

株式会社ブレインマークス

今回のテーマは、「ナンバー2が育たない」です。自分の右腕となる存在がほしいけれど、うまく育たないと悩んでいる経営者から、よく相談を受けます。ナンバー2がいればもちろん助かることもありますが、決して良いことばかりとも言い切れないのが実状です。特に従業員30人以下の中小企業なら、なおさらのこと。今回はその理由について、解説していきます。

■ナンバー2をつくるリスク

かつてはブレインマークスでも、ナンバー2を置いていた時期がありましたが、今は考えていません。なぜなら、私たちのような中小企業の規模でナンバー2をつくることは、組織を運営するうえで難しいと感じたからです。

もちろん経営者の仕事を分担できるメリットはありますが、有能な人は独立するかもしれませんし、実際そのような会社も多く見てきました。たとえば営業部長をやっていたナンバー2が、クライアントを持ったまま独立してしまう、独立したナンバー2に社員がついて行き、会社が二分化してしまう、なんてこともよくある話です。

このように、中小企業がナンバー2をつくろうとしても人が育たなかったり、育ったとしても独立して会社が分裂してしまったりするなどのリスクがあります。

■中小企業では「経営チーム」をつくる

そこでスモールビジネス(中小企業)の神様と呼ばれるコンサルタント、マイケルE.ガーバー氏の教えにあるように「中小企業はナンバー2ではなく、経営チームをつくるのが良い」と私は考えています。各部門のリーダーを集めて経営チームをつくり、経営に関わる意思決定について、リーダー全員が関わっていくのです。たとえばブレインマークスの経営チームが携わっている事項には、以下のようなものがあります。

・経営ビジョン策定に関する高度な意思決定

・経営ビジョン実現のための戦略の立案

・部下への決定事項の落とし込み

・長期的な経営計画や財務計画に関する高度な意思決定

・会社のコアバリューやポリシーなど理念的な部分の管理

・新プロジェクトの運用など

基本的に、ビジョンや計画自体は経営者がつくりますが、情報の共有やアイデア出しは経営チームで行ないます。経営者の仕事とチームの仕事をしっかりすみわけて取り組むと、経営者自身の決断を委譲していくことができるのです。

「ナンバー2を決める」=「誰か一人を抜擢する」ことになるので、多かれ少なかれ社内に摩擦が生じることもあるでしょう。社内の雰囲気を悪くする要因にもなるため、人数が少ない中小企業にとってはリスクとなります。経営チームをつくり、チーム力の強化に力を注ぐほうが、組織運営はスムーズにいくはずです。

■経営チームに必要なルールとは

まず経営チームをつくるうえで重要なことは、会議でのルールをつくることです。さまざまな意見を持ったメンバーが集まれば、時には意見が分かれたりもめたりすることもあるでしょう。そのような時のために、以下のようなルールをあらかじめ決めておくことをおすすめします。

・最終決定者は経営者であり、メンバー全員に周知されていること

・最終決定がなされたら、メンバーはそれに従うこと

・お互いに張り合わず、協力してチームを育むこと

会議で最も重要なことは、「経営ビジョンの実現」という目標に向かって、すべてのメンバーが積極的に意思決定に参加することです。

上記のような会議の運用ルールを決めて切磋琢磨し合うチームをつくっていけば、結果的に経営者の右腕が増えることに繋がりますよ。

■今日の結論

中小企業においては、経営チームをつくり、チームの中で頭角を現したメンバーがいたらナンバー2や後継者の役割を任せるほうが良いと私は考えています。安易にナンバー2を任命しないほうが、経営者にとっても会社にとっても得策です。

もし今ナンバー2がほしいと悩んでいたら、まずは各部門の責任者をひとりひとり育てながら経営チームをつくり、チーム全体の力を強化することに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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