今回のテーマは「雰囲気の悪い会社を変える方法」についてです。
多くの会社を見ていると、雰囲気の悪い会社がとても多いです。弊社も昔は、とても雰囲気の悪い会社でした。
負のパワーというのは、すごく強い力を持っているので、一部の人が頑張っても、いつの間にか負のパワーがどんどん連鎖してしまうものです。その結果、会社の雰囲気がどんどん悪くなってしまうケースが非常に多いのです。
しかし、会社の雰囲気は悪くても、雰囲気の良い会社に変える方法があります。
雰囲気の悪い会社になってしまう原因には、こんなものがあります。
・社長も社員もゆとりがない
・お局社員がいる
・社員の仲が悪い
まず、雰囲気の良い会社をつくるために一番大事なことは、経営者の覚悟です。
絶対に、雰囲気の良い会社をつくるんだという覚悟です。良い会社にするのには、時間がかかる場合もありますが、必ず良い会社にすることができます。
ただ、多くの中小企業の経営者は、会社の雰囲気は自然にできるものだと思っています。
おそらく、社員も会社の雰囲気は自然にできると思っているでしょう。
しかし、会社の雰囲気は経営者が狙ってつくらなければなりません。良い社員がたまたまたくさんいて、たまたま良い雰囲気の会社ができあがることもあります。
また、その一方で、採用面接で暗い部分に気づかずに採用してしまったというケースもあります。すると、一瞬で会社の雰囲気は悪くなっていきます。優しい社長は、そういった社員を雇ったからには育てなければと、なかなか辞めさせられない傾向があります。
すると、どんどん周りを腐らせていく。そして、会社の雰囲気が悪くなっていき、社長の思い通りにいかなくなるのです。
しかも、雰囲気が悪い人に限って、仕事がすごくできたりするんですよね。一部の人からは頼りにされていたりと、100パーセント悪い人なんていません。
それも含めて、バランスを貫くためには、経営者自身が会社の雰囲気を良くするといった覚悟が必要です。そのためには、こんな会社にしたいといった、経営者のイメージする会社を言語化して明確化してください。
そして、イメージに近くように、意図的に働く作業が必要です。何度も言いますが、大切なのは経営者の覚悟です。
私が、10年前にアメリカの大企業ザッポスの視察に行った時の話です。皆さんもご存知だと思いますが、ザッポスは靴の通販から始まり、今ではウェアなどの全般の通販を行なっている大企業です。
ザッポスはコア・バリュー、つまり大切にする価値観や企業文化を、10個のポイントで作られていました。
輪を大切にしよう、謙虚でいようなど、10個の価値観を徹底的に共有することによって非常に豊かな企業文化を築いました。
私が、最初にザッポスに訪れた時、正直イメージしていた光景とは全く違いました。
社員はみんな刺青をしているし、モヒカンヘアの人もいるし、好き勝手な服着ている。とても謙虚には見えなかったのです。
しかし、一人ひとりの社員の皆さんと話をしてみると、みんながコア・バリューをすごく大切にしていることがわかりました。コア・バリューに基づいて、働くということに誇りをもっていました。「このコア・バリューがあるからザッポスが好きだ」「ザッポスが好きだからコア・バリューを大切にしているのだ」という良いループが回っていました。
ザッポスの経営者は、コア・パーパス(会社が存在する目的)と価値観の二つを経営の中心に会社を経営していました。
最初は、衝撃的でこんな会社経営で成り立つのかと、受け入れることができませんでした。
私は、比較的素直な性格で、新しいことに対しては勉強してみよう、やってみようと思うタイプなのですが、ザッポスを始めて見たときだけは違ったのです。
アメリカだから成り立つのではないか、急成長企業だからお金で釣っているんではないかと、できない理由を探してしまうぐらいの衝撃でした。
しかし、できない理由を探している自分に気付いた時に、これは良くないなと思いました。そして翌年、もう一度ザッポスに行くことを決めました。
そしてようやく、2回目で受け入れることができたのです。
企業文化は、意図的につくるから経営者に価値があります。なんとなくできてしまった文化は、万が一会社の雰囲気が悪くなった時に戻しようがありません。
しかし、意図的につくった文化は、分社化しようが、2社目をつくろうが、会社をつくり変えようが、また雰囲気の良い会社をつくることができます。
・雰囲気悪い会社になってしまった
・引き継いだ会社の雰囲気が悪い
・部門の雰囲気が悪い
このような課題があるのであれば、まずは、雰囲気の良い会社をつくる覚悟を決めてください。2つ目は、どんな会社にしたいのかを明確にして言語化してください。
ブレインマークスにも、コア・バリューがあります。まずは自分から動く、PDCAを高速で回す、クライアントの結果にこだわるなど、11個のコア・バリューがあります。
私は、これらを体現できる社員に、働いてほしいと思っています。ブレインマークスという船には、一生懸命これに従っていく社員しか乗って欲しくないと思っています。
経営者が、雰囲気の良い会社をつくる覚悟をした上で、採用から教育まで徹底すれば、遅かれ早かれ、理想の会社にどんどん近づいて行きます。
コア・バリューを作ることで、その文化に馴染めない社員が、自然と間引きされる状態が出来ます。
今のご時世、解雇したり人に辞めてもらうことはすごく難しいです。もちろん、人を辞めさせることが、いいことだとは思っていません。しかし、いて欲しくない社員がいる、それは社員にとっても不幸な場合があります。
だからこそ、自然と自分の居場所じゃないんだとわかるように、意図した文化をつくり上げるのです。全員から好かれる文化である必要はないのです。
一部の社員からは熱狂的に良いと思われるが、そうじゃない人達には、嫌って思われるぐらいの強固な文化をつくれる方が、経営者にとっては価値ある会社になるはずです。
文化をつくることに対する覚悟を決めて、それを言語化し浸透させていく。あとはやるだけです。これだけで会社は変わっていきます。
だからこそ、今雰囲気の悪い会社は、経営者の覚悟を決めましょう。