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今回のテーマは「なぜ、中小企業に人事評価制度が必要なのか?」についてです。
先日、中小企業の社長さんと食事をしていた時の話です。「人事評価制度がなぜ必要か聞かれたが、うまく答えることができなかった。」と相談を受けました。
税理士さんに経営計画は必要だが、人事評価制度はいらないと言われてしまい、悔しい思いをしてしまったそうなのです。
しかし私は、人事評価制度なしで会社経営することは難しいと思っています。今回は、人事評価制度が必要な理由についてお話していきます。
私も15年ほど人事評価制度を活用していますが、人事評価制度なしで会社経営をすると考えると、すごく不安です。
「なぜ、人事評価制度が必要なの?」と疑問を抱く人もいるかもしれません。そして、多くの経営者が、人事評価制度の使い方や目的を勘違いしています。では、人事評価制度の最大の目的は何かわかりますか?
社員が目標を立てて、目標をクリアする行動習慣を身につけることです。
弊社では、社員一人ひとりが毎回半年間の目標を設定します。
・業績の目標
・自分のスキルアップの目標
・チームの目標
・部下育成の目標
これらの目標を立て、半年間でクリアすることで、給与や賞与に連動する仕組みになっています。
この仕組みをつくらなければ、社員が半年の目標立てて、クリアしようと行動する文化は根付きません。人事制度があれば、堂々と根付かせることができるのです。目標達成の仕組みがあれば、社員が成長する仕組みが完成します。
まずは、目標達成の仕組みの定着こそが、人事制度のメリットだということを理解してください。そうすれば、人事制度なしで会社経営するのは難しいと理解できるはずです。
弊社に人事評価についての相談に来られるクライアントさんは2つに分かれます。
・人事制度がないから、これからつくりたい
・高い金を支払って、人事評価をつくったがうまくいっていない
どちらも共通することは、運用に力を注いでいなかったり、運用ベースに人事制度がつくられていないということです。
人事評価制度は、社員が目標を立ててクリアすることに意味があります。
もちろん最初は、目標立て方もよくわからないところからスタートする社員もいるでしょう。だからといって「目標の立て方が下手くそだから、ダメなんだ」と言ってはいけません。
まずは目標を立てたこと、そしてクリアしたことに対して褒める。そうすることで、社員は、目標を立てることがだんだんうまくなっていきます。
評価する経営者も、最初は完璧ではないし、課題があるはずです。ですから、社員と経営者がお互いに成長しながら、人事評価制度を運用していけば、だんだん定着していきます。
中には「給与と連動させるなんて、社員を餌で釣るのか」と思う人もいるかもしれません。しかし、社員は目標設定を立てたからといって、給与やボーナスのことだけのために頑張るわけではありません。もちろん給与やボーナスを意識はしていると思います。
社員は、半年間の目標を立てることで、こうしたら評価されるのだ、こういう風に頑張れば自分が成長するのだと思える環境こそが、仕事に集中できるのです。
弊社の社員も、自分で目標を立て、達成できた時には喜び、達成できなかった時は、苦しみながら日々頑張っています。
社員一人ひとりが目標を立てて、達成できるように行動をする。この文化を根付かせることができれば、経営者は枕を高くして寝られるでしょう。
今、あなたの会社には従業員が何人いるかわかりません。10人かもしれないし、30人以上いるかもしれません。しかし、何人であってもまずは、社員一人ひとりが成長するための目標を立てるようにしてください。
部下の育成目標を立てる社員がいる。会社の業績目標を立てて、達成のための目標を立てる社員がいる。経営者にとってこんなに嬉しいことはないはずです。
しかし、人事評価制度がない会社は、会社の経営目標に対して、社員を1つのことに集中させることができていません。経営者にとってとても不安なことです。
もちろん、定着させることは、簡単ではないし今までやってなかったことに抵抗するケースもあるかもしれません。
しかし、中小企業の経営者は、人事評価制度がなぜ必要なのかを理解して、社員の皆さんに定着させることができれば、労力の何倍にもなって返ってくるはずです。
人事評価制度は、人材育成の最高のツールであり経営目標達成の最高のツールです。しかし今後、社長が不在でも事業を拡大しようと考えた時、社長1人で社員全員の評価をみることは難しいですよね。
弊社では、社員に部下やスタッフの育成を任せることもあります。任された社員が手分けをして、一人ひとりが目標立てて、クリアできるようにサポートをしています。
社員が目標達成できればできるほど、会社は強くなります。人事評価制度は、社長が不在での事業を拡大するための最高のツールです。