■安東の経営者ヒストリー 〜「2年間で変われなければ会社をたたむ」と決めて
築き上げたビジネスモデルで安定した売上を維持する一方、残ってくれた仲間は1人だけ。何のために会社を経営しているのか分からないまま、安東はもがき続けました。
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今後どうしていくかを模索する中で、
「自分には経営者としての才能がないのではないか?」
「リーダーの器ではないのではないか?」
「会社を辞めてどこかに勤めたほうが幸せではないか?」
とも考えたという安東。
自分がどこに向かっていくべきなのかを懸命に探す日々でした。しかし一方、経営者としての自信を失い「あまり人に会いたくない」と逃げ腰になっている自分もいたのです。
才能を無限に開花させるノート術として人気を博した「マインドマップ」のインストラクターをやってみたり、政治家になろうと志して政治塾に参加してみたり。ビジネスとはかかわりのない世界に逃げ込んでいた時期でもありました。
収益性の高いビジネスモデルがあるだけではダメだ……。それだけは身にしみて感じていたのです。
当時、安東は40歳。「もう一度頑張りたい。まだまだやれる」という思いと「自分には経営者の才能がない…」という思いが行ったりきたりする日々。
そんな日々にも飽き飽きしてきたころ、ひとつの決断をしました。
「とにかく、あと2年間は必死で経営の勉強をしよう。それでも、この10年の自分が何を間違えていたかを理解できなければ、会社をたたもう」
それからの日々は、とにかく必死に勉強しました。自分でビジネス書1000冊の読破をノルマに掲げ、毎日読みふけりました。経営セミナーには積極的に参加し、コンサルティング会社にも顧問契約を申し込みました。さまざまな会合に参加し、たくさんのDVDを見ました。藁にもすがる思いで、経営の勉強に明け暮れました。
それから1年半。確かにさまざまな分野で知識が深まっていきましたが、「何かが足りない……」という思いは拭い去れませんでした。せっかく身につけた経営知識も、どこか魂が入っていないものに感じました。どんどんすり抜けていく。何かが足りない……。
自分で決めた「廃業」のタイムリミットが、もう目の前まで迫っていました。