今回は書籍「ビジョナリー・カンパニーZERO」から、中小企業の経営者に必要なリーダーシップについてご紹介します。
著者はジム・コリンズとビル・ラジアー。ジムは世界で1,000万部超のロングセラー「ビジョナリー・カンパニー」シリーズの著者で、経営者からも絶大な支持を集めています。一方のビル・ラジアーは、ブリストル・インベストメント・カンパニーの創業者で、数多くの社会事業の運営に参画してきました。
この本に書いてある内容は非常に本質的で、経営者としては必読の1冊です。
何もないゼロの状態から、歴史に名を残すような偉大な企業になっていくために経営者はどうすればよいのか、この本をもとに考えていきましょう。
まず、私たち経営者にとって一番大事なのは、ビル・ラジアーの示唆に富んだ人生の教えであると書かれています。その内容を詳しく見ていきましょう。
1.分け与える心を真摯に実践する人になる
アメリカンドリームとは、単に自分が成功するだけでなく、他の人に多くを分け与える機会を得ることである。与えるものはお金でも時間でも良い。とにかく、多くの人に分け与えることで、その人たちから感謝の気持ちが返ってくる。すると与えるエネルギーはますます高まっていく。分け与えることでエネルギーの弾み車を回せるようになる。
2.後戻りできないジャンプのタイミングを見極める
決定的なタイミングで全てを捨てて飛び込まないと、夢を実現する可能性は開けない。つまり、退路を断って全身全霊で取り組まなければならないのだ。いつでも安全な道に戻れる選択肢を残しておこうとすると、一生選択しないままで終わる。
3.価値観から始まり、常に価値観に立ち戻る
私たち起業家の成功は、「何をするのか」ではなく、「何者であるか」によって決まる。優れた芸術家が内なる価値観を作品に反映するのと同じように、優れた会社にも起業家の価値観が表れる。常に自分の成功をお金で測る人は、必ず敗者になる。どんなときも、自分の目指す価値観に立ち戻って考えなくてはならない。
4.最高の人材がいなければ最高のビジョンに意味はない
何よりも大切で、絶対に失敗をしてはならない原則がある。それは「最初に人を選ぶ」だ。「正しい事業のアイデア」よりも「正しい人材」の方がはるかに大切である。偉大な企業をつくる最も重要なスキルは「人材について優れた意思決定をする能力」なのだ。
5.最も重要な指標を追跡する
最も重要な指標とは、「バス(会社)の座席のうち、そこにふさわしい人材で埋まっている割合」である。真に偉大な企業をつくるために、どんな事情や制約があろうとも、常に重要ポストには、適格な人材を配置できるよう努力しなくてはならない。
さらにこの本では、経営者自身がどのようなリーダーシップを身につけるべきなのか言及しています。
真のリーダーシップとは、「従わない自由があるにも関わらず、人々が付いてくること」。そして同時に、「会社としてやらなくてはいけないことを、部下にやりたいと思わせる技術」なのです。それを実現するためにリーダーは、誠実で決断力・集中力・人間味があり、常に前進する前向きな姿勢が求められます。
これらの内容が全てできているだろうか?と考えると苦しくなってしまいますが、真実であることに間違いはありません。だからこそ、今できていないことを自覚した上で「どうやったらできるだろうか」と考え、改善をしていくことが何より大切ですよね。
ゼロから偉大な企業をつくっていくためには、まずは経営者が気持ちを整えていかなくてはなりません。ぜひこの本を読み、あなた自身のリーダーとしてのあり方を見直してみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの会社が大きく発展するきっかけになるはずですよ。