今回のテーマは「経営者を悩ませる“過剰な自信を持った社員”とは?」です。
ベテランの社員から見ればまだまだ新人なのに、「自分はできている」という振る舞いをする。このような社員は、どこにでもいるものです。自信過剰なだけなら可愛いのですが、努力を辞めたり周囲に高圧的な態度をとったりすると、なかなか厄介ですよね。
これは、自己評価と他者評価の乖離が生まれている状態といえます。つまり、自分への客観性を失っているのです。
このような状態になってしまう理由と、自信過剰な社員にはどう対応したらいいのかを考えてみましょう。
まだまだ能力が足りていないのに自信過剰になる。実はこの現象、誰にでも起こりうる脳の錯覚なのです。能力が低い人ほど正しく自己評価ができず自分を過大評価してしまう現象で、「ダニング・クルーガー効果」と呼ばれています。
新しい仕事などを始めた直後は、誰でも不安を抱くものです。それでも続けていけば少しずつできるようになり、だんだんと自信が湧いてきます。しかしこの時点では、まだ知見が浅く視野も狭い状態。視野が狭いが故に、今できていることや知っている知識がすべてであるかのように勘違いをしてしまいます。
そして、できている部分が少ないにも関わらず「自分はできている」と自信過剰になるというわけです。
自信過剰になった社員に客観的視点を取り戻してもらうには、「自信喪失期」へと誘導してあげることが必要です。
「できていると思っていたけれど、全然できていなかった」と気づかせてあげることで、自分が井の中の蛙だったことを自覚します。逃げてしまうとそこで終わりですが、「もう一度、勉強しなおさなくては」と思えたなら、成長へのステップを着実に踏むことができるでしょう。そこから努力をして次のステップに進むと、客観性に裏打ちされた正しい自信が身に付くのです。
「自信喪失期」へと正しく誘導するためには、客観的なツールと機会が必要になります。
客観的なツールとは、人事評価制度や業務のチェックリストといったものです。できる、できないを人が評価すると感情的になりやすく、無用な軋轢を生む可能性があります。そのため、常に同じ基準で評価できる客観的指標を用いて確認しなければなりません。
また、「自信喪失期」に入った社員には、当然フォローアップが必要になります。ブレインマークスでは、サポートする社員が感情面のフォローをする「1on1ミーティング」という面談の機会を作っています。この月1回の面談の場で、自信を失った社員が前を向けるようにサポートしてあげるのです。
「客観的な評価」と「感情面のフォロー」をセットにして、社員が「正しい自信」を持って成長できる仕組みを運用していきましょう。
人には誰しも「自分はできている」と思ってしまう時期があるものです。しかし、「自信満々期」と「自信喪失期」を繰り返すことが成長のプロセスになります。
もちろん、それが上手くいかないときもあるでしょう。中には、向き合わずに逃げてしまう人もいるかもしれません。それでも、理屈を理解していれば客観的に受け止めることができるはずです。
仕組みづくりは容易ではありませんが、ぜひチャレンジしてみてください。