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今回のテーマは「『自分の枠』を自分で決める社員の対処法」です。
事務員は事務だけ、営業職は営業の仕事だけしかやらないというように、社員が自分の仕事の枠を自分で決めてしまう。このようなことは、どの会社でもよくあるのではないでしょうか。
「さまざまな業務を経験して幅を広げてほしい」と考えていても、自分が決めた枠から外れた仕事を嫌がる社員に悩んでいる経営者は多いと思います。そこで今回は、このようなすれ違いへの対処法をご紹介します。
そもそも、なぜ自分の枠を自分で決めてしまうのでしょうか。もしかするとそれは、会社をチームとして見ることができていないからかもしれません。
例えば野球だと、勝利という目的のためにピッチャーやキャッチャー、内野手、外野手といったポジションが存在します。それぞれが自分のことしか考えず個人プレーに走ってばかりだと、チームはまとまりを欠いて勝つのが難しくなるでしょう。メンバーひとりひとりが自分の役割を果たしチームプレーに徹することで、目的である「勝利」をつかみ取れるのです。
会社も同じで、事務も営業もひとつの目的のために集まっているチームです。ブレインマークスだと「会社を変革する、価値を提供する」という目的があり、そのためにコンサルタント、営業、商品開発、経理や総務といった役割が存在しています。それぞれ決まった役割を持っているものの、その役割は会社の目的達成のためにあるわけです。
そのことが浸透していないと、目の前の仕事さえしていればお給料がもらえると考えて、社員が自分で自分の枠を決めてしまうといったことが出てきてしまうのです。
しかし、自分で自分の枠を決めてしまうのは非常にもったいないことです。仲間とともに努力して目的に近づいていくやりがいを感じられないでしょうし、日々同じ業務だけを繰り返していくと、どうしても成長の度合いは低くなってしまいます。
さまざまな業務を経験していくと、そのひとつひとつに学びがあり、自分を成長させてくれます。そして別の業務に就いたときに、前の業務の経験やスキルが活かせるケースもあるでしょう。
事務員だから事務だけ、営業職だから営業の仕事だけしかやらないと自分の枠を決めてしまうのは、自分の成長や幅をひろげるチャンスの芽を摘んでしまうことになるのです。
それでは一体どうすれば、社員が自分で決めた枠にとらわれないようになるのでしょうか。私自身が試行錯誤して効果があると感じたのが、各部の「使命」を言語化することです。
例えばブレインマークスのマーケティング部門には「変化の積み重ねの先端である市場の現在を常に把握し、解き明かす」「ブレインマークスにより多くのファンを創造する」という2つの役割・使命があります。この2つを突き詰めることで、より高い価値をクライアントに提供し、ブレインマークスを好きになっていただくのです。
このように部門ごとの使命を言語化すれば「事務だから」「営業だから」といった枠組みは関係なくなります。そしてどのようにしたら使命や役割を果たせるのかを考えて、自分たちの仕事を設計していくようになるのです。
ひとつひとつの仕事が、会社の理念やビジョンを実現する上でいかに重要で疎かにしてはならないものなのか、使命を言語化することで社員に伝わったと感じています。そうすれば、社員が自分の枠を勝手に決めてしまうことも少なくなるのではないでしょうか。
社内のあらゆる業務は会社の理念・ビジョンを実現するためのもので、それらを境目なく担っていくことが社員ひとりひとりの幸せにもつながっていきます。各部門の使命を言語化して浸透させていけば「そこへ向かって自分が何をすべきか」という視点で仕事を考えるようになるでしょう。
自分の枠にこだわる社員の対応にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。