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今回は、書籍「GIVE&TAKE与える人こそ成功する時代」から、中小企業の組織づくりについて紹介します。この本には、健やかで豊かで良い人間関係の組織をつくるヒントが、たくさん詰まっています。そのヒントを、中小企業の組織づくりに生かすためにはどうすればよいかについて、この本を基に解説していきます。
この本の著者である組織心理学者のアダム・グラント氏は、自身がもつ膨大なデータを基に、世の中には3種類の人間がいると述べています。
・GIVER(ギバー)・・・人に与えることで喜びを感じる人
・TAKER(テイカー)・・・人から奪うことに喜びを感じる人
・MATCHER(マッチャー)・・・与えられたら与え返し、奪われたら奪い返す人
この3種類の中で、一番成功するのはGIVERであり、失敗するのもGIVERです。その理由はなぜなのか、それぞれのタイプの特徴を基に説明していきます。
TAKERは、基本的に愛想が良く、コミュニケーション能力が優れています。そのため、人の心にスッと入り込み、甘えたり頼ったりすることが上手です。TAKERは世の中を生き抜くため、人から奪うことに全力投球します。
短期的には成功するTAKERですが、長期的に見ると必ず没落しています。その理由はなぜか。世の中の6割の人間はMATCHERだからです。
MATCHERとは、奪われたら奪い返す人です。そのため、TAKERがMATCHERから奪ったとしても後で必ず奪い返されます。しかも世の中の6割の人間はMATCHERであるため、TAKER はGIVERよりもMATCHERに遭遇する確率の方がはるかに高いのです。
GIVERだけを見極めて永遠に奪い続けられたらTAKERは成功できますが、それは困難です。そのため、長期的に見るとTAKERは成功者になれないのです。
GIVERでも与える人をしっかり見極めてWin-Win or No Deal(自分も勝ち、相手も勝つ)ができれば、成功します。一生ギブして豊かな人生を送りたいのであれば、相手がTAKERだとわかった瞬間にno dealとする勇気が必要です。GIVERが成功するためには、TAKERとは一切付き合わない覚悟が必要なのです。
もしGIVERとMATCHERだけにギブし続ければ、GIVERは豊かな世界で生きていけます。
失敗するGIVERの特徴は、TAKERとわかっていながらも求められる喜びに負けてしまい、延々と与え続けてしまうことです。その結果、搾取され続けて最終的には不幸になってしまいます。
この3種類のタイプを知って組織づくりに生かすことで、中小企業の経営はより良くなります。例えばブレインマークスでは、人材を採用する時にできるだけGIVERかMATCHERを採るようにしています。そうすれば、誰も奪われることなく、社内の雰囲気も良くなるからです。お互いを思いやり、高め合えるので、組織としても成功します。
またブレインマークスでは、コアバリューにも「Win-Win or No Deal」を設定しています。そのため、もし中途でTAKERが入社しても社内の雰囲気に馴染めず、辞めてしまうのです。
このように、あなたの会社もGIVERとMATCHERだけの組織づくりを心がければ、互いに思いやりを持った組織をつくれるはずですよ。