コンサルティング
前回は、中小企業のがん検診の現状や課題、早期発見の大切さに焦点を当て、経営者の健康意識が福利厚生に与える影響を探りました。
今回は、経営者が社員の健康管理にどう関わるべきか、経営者の役割について考えてみましょう。
社員ががんなどの病気になった際、長期的に向き合って生きていくことを想定しなければなりません。
経営者がどのように対応するかは重要であり、他の社員もその姿勢を注視しています。経営者が社員の健康に無関心であったり、無理な要求をしたりすると、信頼やモチベーションの低下につながります。
従業員の長期療養の際に、保険制度や給与の支援は大きな意味を持ちます。
必ずしも高額な保険でなくても、給与の一部を補填することは経済的な不安を和らげ、安定したサポートとなるのです。
単なる財務的な補填以上に、闘病中の従業員への精神的な安心感にもつながるでしょう。
健康経営を実現するには、このようなリスクマネジメントが不可欠です。
保険と給与が提供する安心感は、社員のモチベーションや信頼を高め、業績や離職率の改善にも寄与します。
健康経営を実現するために、経営者がリーダーシップを発揮し、社員と共に歩むことで、より良い未来を築いていけるでしょう。
経営者は社員の健康と幸福を守る責任を負っています。
前職での経験から、単に「病気になってかわいそう」という理由だけで月20万円を3年間支給し続けたことには問題があると認識しています。
経営者は、こうした事態に備え、事前の対策と財務的な補填を検討することが必要です。そして、全ての社員が同様な状況にならないようにフォローアップしていくという、そのリスクマネジメントの意識が企業経営において極めて重要であると言えます。
(安東邦彦/第3回に続きます)