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「コロナ禍」という言葉が生まれてから3年目の夏。新型コロナウイルスは第7波の感染拡大局面に入りました。
過去2年半の取り組みから、企業における感染防止策の徹底や、リモートワーク活用などの新しい働き方への対応は浸透してきているのではないでしょうか。
一方でまだまだ対策が不十分だと考えられるのが「社長不在時の対応」です。NHKではこんな特集を行っていました。
(参考記事)
“あした、社長がコロナになったら…”中小企業のBCP、大丈夫?
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220723/k10013732881000.html
自然災害などの緊急事態下にあっても事業を継続できるよう、企業は平時からBCP(事業継続計画)を定めておくべきだと言われます。
大地震が発生したら、大雨による浸水被害が起きたら、あるいは長期間の停電に見舞われたら……。
こうした事態を想定して備えている企業は多いでしょう。しかし、こと中小企業においては、自然災害以上に「社長不在」が大きなリスクとなり得るのです。
リスク要因はコロナ感染だけではありません。明日、もし社長が業務に就けなくなってしまったらどうするのか。社長不在という非常事態に対応するためのBCPには何が必要なのでしょうか。
中小・零細企業においては、日頃の業務の指揮系統をワンマン社長1人に頼っているケースがほとんどでしょう。
ブレインマークスが体系化している「中小企業の6大課題」でも、「社長の限界=会社の限界」を第一に挙げています。売上のほとんどを社長が稼ぎ、現場から離れられない状態がこれにあたります。
「社長が3カ月不在でも事業を拡大する方法」オンライン講座
https://www.brain-marks.com/mailmagazinehp/
特に気をつけたいのは社員数10名前後の会社。何を隠そう、ブレインマークスもこの規模です。
私たちくらいの規模の会社は、とにかく勘違いしてしまいがち。社員数10〜15名くらいの規模までは、社長の頑張りこそが成長の原動力となります。だから社長は「もっと成長させよう」と思って現場の先頭に立ちます。
しかし、実は社長のその頑張りが次なる成長を阻害している現実もあるのです。
前述したように、社員数10〜15名くらいの規模までは、社長の頑張りこそが会社の成長の原動力となります。
しかし社員数20名を超えるラインになってくると、同じやり方は通用しません。社長の頑張りがむしろリスクとなり、成長の足かせとなっていくのです。
社長がいなくなった途端に、会社は事業がたち行かなくなる。そのリスクは企業規模とともに大きくなっていきます。にも関わらず、社長の仕事がいつまでも「社長にしかできない状態」……。そんな企業は本当にたくさんあります。
考えてみれば、本当に恐ろしいことですよね。少し前までは社長が頑張ることこそが事業拡大の最大要因だったのに、一定規模になった瞬間にその常識がひっくり返ってしまうのです。
なぜこのようなことが起きてしまうのか。対策として何が必要なのか。次回のブログで詳しく触れたいと思います。
(安東邦彦/第2回に続きます)