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今回のテーマは、「マニュアル化と仕組み化は違う」です。
近年「仕組み化だ、仕組み化だ」という人が増えてきていますが、
今日は仕組み化についての、正しい考え方をお伝えしたいと思います。
もちろん、マニュアル化も仕組み化の一部です。
マクドナルドのような例が多く、たくさんの経営者が
・オペレーションをマニュアル化して、それを教育することが仕組み化だ
・仕組み化すること自体が、マニュアル化なのだ
といった風に思っています。
しかし、これでは経営のシステム化に対する、 根本的な理解が足りていないのです。
そして、理解が足りないが故に、
多くの中小企業の社長は苦しめられています。
まずここでお伝えしたいのは、
マニュアル化と仕組み化は違うということです。
マニュアル化は、仕組み化のごく一部でしかありません。
私たち経営者は、経営の課題を日々解決したいと思って
会社を経営しています。
例えば、中小企業の経営課題を挙げると
・人の問題
・業績の問題
人の問題と言えば、まず採用。
良い人材を、うまく採用できないのならまだいいのです。
問題は採用に失敗してしまうことです。
採用したけれど、全然仕事ができなかったといったケースです。
また、人の問題と言えば、教育の問題もあります。
せっかく人が入ってきたのはいいが、
育たなくて、困っている経営者がたくさんいるでしょう。
業績の問題では、
見込み先の集客を仕組み化したいと思っている経営者が多いです。
このように中小企業の課題は、
ヒト、モノ、カネと色々あるわけですが、
中でも多いのが人の問題ではないでしょうか。
・組織がまとまらない
・社員が自分の気持ちを理解してくれない
では、このような課題は、
マニュアル化すれば解決するでしょうか? 難しいですよね。
社員に「こうやってこんなふうにしてね」と依頼すれば、
「マニュアルがあるので、それ通り頑張ります! 社長の気持ちを理解して頑張ります!」なんて不可能ですよね。
つまり、不可能なのに仕組み化=マニュアル化と言うのはおかしいのです。
「仕組み化」とは何かと言ったら、
経営者が考えていることを、
社員がしっかりと理解をすることです。
例えば、経営者が見ている景色を、
共に見られる環境をつくったりすることです。
このような、会社の課題を真剣に考える時に、
僕の頭の中に常にあるのが、氷山モデルです。
図を見てもらえればわかると思いますが、
氷山があったら、水面下に出ているのはごく一部です。
その下にはたくさんの氷山があります。
では、水面下の部分で、何か問題が起こったとしましょう。
その問題を解決するには、その下の問題を解決しなければなりません。
そうしなければ、場当たり的に目の前のことしか解決できないという考え方です。
例えば、仕事を依頼しても、毎回忘れてしまう社員がいるとします。
忘れてしまうたびに、社長が忘れるなと言ったとしても、
大抵、その社員はまた忘れてしまうものです。
しかし、その社員の最大の問題は、
もしかしたら、「もう社長の言うことなんてやりたくない」と
思っているかも知れないということです。
そうであれば、その問題を解決しない限りは、
社員は変わりません。
もしくは、頑張ってやろうとはしているが、
いつもメモをとるの忘れてしまい、
うっかりしてしまうのが問題なのかも知れません。
仕事がパンパンで、タスクが溢れてしまっているせいで、
忘れてしまうのが問題なのかも知れません。
このように、いろんな問題が考えられるのです。
つまり、根本的な問題を解決しない限り
表面の出来事は変わらないのです。
今、お話ししたことの問題の最大ポイントは、
基本的に自分が依頼されたタスクを
自分の頭と記憶で管理する人は、忘れてしまうということです。
タスクは頭で管理するものではありません。
忘れてしまう問題は、メモをする事でしか解決しないと伝え、
メモをとる必要性をひたすら伝えるのです。
そうすると、いつの間にかその社員は、
何か言われたら必ずメモをするようになります。
メモする行動習慣が身につくのです。
そして、行動習慣が身につけば当然、
成果が変わるわけなのです。
この行動習慣を身につけるために、
弊社ではタスク管理のソフトを使用しています。
社員は全員、タスク管理にソフトを使うことを徹底しています。
そうすれば、タスク管理の習慣が身につきます。
タスク管理の習慣の下には、
記憶で仕事したら自分自身が大変であること。
より良い仕事をするためには、
メモをとることが大事であることを伝えています。
正しい考え方と、行動習慣をつけるためのシステムをつくり、
正しい行動習慣が身につけば結果が変わるのです。
ここまで、個人に当てはめてお話をしましたが、
会社に当てはめても全く同じです。
組織がまとまらないといった問題に対して、
ただ「まとまれ、まとまれ」と言っていても意味はありません。
まずは最初に、経営者として、
どんな会社を作りたいかという考え方をまとめてください。
そして、その考え方に基づいて動くためには、
どういうシステムが必要かを考えるのです。
そのシステムを、社内で徹底することによって行動習慣が変わっていきます。
行動習慣が変われば、組織がまとまっていく。
この段階をイメージしなければ意味がないのです。
5、6年ぐらい前までは、
よく「理念とかを言語化して飯が食えるんでしょうか」と言う
経営者がたくさんいました。
私も昔はそう思っていたので、気持ちはよくわかります。
しかし、経営者が思っている正しい行動習慣、
いわば、行動習慣矯正ギブスをつくろうと思ったら、
まず行動習慣が明確でなければならないのです。
それが、理念でありビジョンであり価値観です。
経営者として、これが正しいと思う部分を、
言語化、見える化をしていく。
それをシステムに組み込んでいく。
そうすれば、社員の行動習慣が変わっていきます。
結果が変わります。
この行動習慣を変えていくためのシステムと、
正しい考え方のセットが、経営システムなのです。
そして現場ギリギリまでいった時に、
こういう順番でやれば、うまくいくという手順書がマニュアルなのです。
つまり、経営システムの末端の部分が、オペレーションマニュアルなのです。
そこを理解しないままで、マニュアルをつくれば、
社員はその通りにやってくれるはずだと思い、
マニュアルをつくってしまう。
すると当然、社員は独自のルールで仕事をしてしまうし、
マニュアル通りなんてやってくれないのです。
正しい考え方に基づいて、行動する矯正ギブスが必要。
そして矯正ギブスがあれば、社員はマニュアル通り動く。
そうすれば、行動習慣が身につくのです。
そもそもマニュアルを大切にするという行動習慣がなければ、
絶対に根付かないのです。
その部分を理解していけば、
教育のシステムも実は全く同じ考え方です。
ある意味、経営計画をつくってPDCAを回し、
社員と運用していくといった大枠のくくりも、
最大の経営システムなのです。
人事評価の評価する項目は、
経営者が正しいと考えていることです。
弊社の場合は、目標達成、価値観の共有、コンピテンシーの3つです。
私にとって、社員にはこんなビジネスマンになって欲しいという、理想像があります。
ちょっと下品な言い方ではありますが、
その理想像に沿っていった社員に給与を支払うと言っているわけです。
それこそが、社員の教育の矯正ギブスであって、
その矯正ギブスに則って行動することで、社員は成果が出るのです。
成果が出るから、社員はたくさんのお金がもらうことができます。
そのいいループが回り出して、
初めて人事評価制度という、経営システムが回りだすのです。
・経営システム
・行動習慣
・正しい考え方
この3つをセットにして考えていかない限り、
仕組み化、仕組み化と言っている人から学んでも何も変わりません。
仕組み化はわかっていても、
その本質がわかっていない状態が延々と続いてしまいます。
経営システムというもののまやかしに騙されず、
マニュアルは、あくまでも仕組み化の一部ということを理解してください。
マニュアル化と仕組み化は、全く本質が違います。
仕組み化の本質を理解すれば、
マニュアル化は、仕組み化のほんの一部にしかすぎないのだということが理解できます。
それよりもっと大きな、
経営システムをつくることから始めていかなければ、
会社は変わりません。
その経営システムのつくり方は、
YouTubeでも発信していますので、
是非学んでいただけたら嬉しいです。
【ブレインマークスYouTube URL】
⇒https://www.youtube.com/watch?v=7niFOO-KRIU&t=364s